自己愛性パーソナリティ障害-クレーム対応

接客マナー > クレーム応対

クレーム対応というのは非常に大切ですね。

 

クレームを言ってくるお客様に対しては適切な対応をしないと後々に影響する可能性が大きくなります。

 

クレームは、一般的にはサービスを提供する側に何か問題があり、それに対して問題意識を感じるお客様が意見を言う事が多いと思われます。

 

ただ、それ以外に理由のないクレームがあります。

 

『自己愛性パーソナリティ障害』というものを皆さんはご存じでしょうか。

 

これは、定年退職した大企業の重役、元弁護士や大学教授など社会的地位の高かった人などに多く、一般的なクレームとは異なりますが対応は難しく間違えると非常に時間をとられる事になります。

 

かつては周りから尊敬されていたような人が一種の征服感を味わい自尊心をどこかで取り戻そうとしているケースです。

 

例えば、顧客に送付するDMに対して、紙の無駄遣いであり環境保護を考えていないというクレームを店頭の社員に対して言ってくる場合などが考えられます。

 

「地球環境保護についてどう考えているのか」や、「どれだけの資源の無駄遣いになっているのか君はわかっているのかね」などと延々と説教が始まります。

 

もっともな内容でもあるのですが、一社員に言われてもどうしようもありません。

 

途中で意見を言おうとしても「違う、よく聞きなさい。こうだろう」と話が続けられます。

 

また「君の日本語はなっていない。一流企業で働く者としてそれで良いのか」から始まり、「笑顔がない、商品の扱い方が雑だ」と一つずつ指摘をして来ます。

 

そのうちに電話応対時の対応なども含め「私はこの店を良く利用するが、ここの社員教育はどうなってるんだね」と教育指導の話にまで及びます。

 

この様な人々は非常に頭が良く、世の中のために役立とう、若い人たちを教育しようという正義感を持っているから厄介でもあります。

 

また時間はあり余っているので、お店側が忙しい時に来て延々と話が続いたりします。

 

対応している担当者には非がないので、その場で解決の方法がありません。

 

こういった人は周りの人間を部下の様に感じているのかもしれないのです。

 

このようなケースの場合、途中で言葉を挟まず、どうすれば納得してもらえるのかをしっかり聞いて、「貴重な意見として受け止め全社で検討いたします」と答えて、まずはその場を収めるようにするのが最善策でしょうね。

 

特に接客業務に携わる人は、こういったクレームの種類を学び対応法を身につける事も必要となってくるでしょうね。

 

日本サービスマナー協会理事長 沢野 弘


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