先読みのサービス

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先読みのサービスというものがあります。  

当然言葉から考えてお分かりになると思いますが、お客様の要求を聞く前に、 その立場に立って先にサービスを提供する事です。 

例えば、レストランでお誕生日会の予約を受けた時に、バースデーケーキが必要かを 尋ねるなどが挙げられます。   

この先読みのサービスはそれぞれのシチュエーションによって異なるため、 画一化されたマニュアルでの対応は難しいでしょう。  

あくまでもお客様の立場に立って、「今、このお客様は何をしてほしいのか」という事が 理解できる能力が必要となりますね。   

これは特別な能力ではありません。 

それなりの経験は必要でしょうが、単に経験だけではなく考えて行動した結果の 積み重ねになると思います。  

もちろんレストランだけでなく、他の仕事にも当てはまる事ですが、 考えて行動した場合は例えその時の行動が失敗であっても経験値として残っていきます。 

何も考えずに行動するのとは大きな違いですね。   

このコラムでも良く書いていますが、相手の立場に立って考えるという事は どんな状況であっても非常に重要なです。   

当然クレーム対応の場合にも当てはまります。   

お客様の言う内容をしっかりと聞いて要望にきちんと対応する事はとても大切です。   

しかし、それはサービス業では当たり前の事であって、 それだけではお客様の心に残るサービスの提供は難しいでしょう。   

先読みのサービスができてこそお客様に心から喜んでもらう事ができ、印象にも残り、 また来たいと思ってもらえるのですね。   

考えて行動した経験の積み重ねで先読みのサービスのレベルも向上していくでしょう。   

そうするとお客様にとっては、まるでテレパシーを持っているかのような不思議な気持ちと共に、 やすらぎと安心感を持っていただく事もできるでしょう。 

もちろん、一人一人が単独で先読みのサービスを行うのではなく、職場で意見を持ち寄り、 それぞれの経験を集約すれば、全体で素晴らしい先読みのサービスが提供できるようになる事でしょう。 

もしみなさんが、まだきちんとしたサービスが提供できていないと感じているなら、 お客様の要望に先に応えられるようにはどうすれば良いのかを全体で話し合う機会を 持ってはどうでしょうか。 

日本サービスマナー協会 理事長 沢野 弘

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