2016年1月アーカイブ

三つ星レストランなどレストランの評価として世界的に有名なミシュランガイドを皆さんは良くご存じでしょう。

 

ミシュランガイドの評価はどの国でも共通で、よく言われている星の数の意味するところは次のようになっています。


一つ星:そのカテゴリーで特に美味しい料理

二つ星:遠回りしてでも訪れる価値がある素晴らしい料理

三つ星:そのために旅行する価値がある卓越した料理

 

このミシュランの星の評価は“料理”を対象としたものですが、その判定基準は次のように分けられます。

◆素材の質

◆調理技術の高さと味付けの完成度

◆独創性

◆コストパフォーマンス

◆常に安定した料理全体の一貫性

 

この基準はミシュランガイドが料理に対して設けたものなのですが、同じ様な事がホテルや旅館、一般のお店、さらに企業などにも言えると思います。

 

『素材の質』というのはそのお店や企業が持っている施設・設備の問題や周辺の環境、商品の特徴などが当てはまるでしょう。

 

お客様やクライアントが満足できるような環境を整えているかという事が大切になります。

 

『調理技術の高さと味付けの完成度』は味付けだけではなく、料理ができたての温かさのままで運ばれてくるかという事なども含まれます。

 

これは、サービスの迅速さやサービスの質の高さ完成度というだけではなく、お客様の要望に基づいたサービスが提供できているのかという事につながると思います。

 

『独創性』については他のお店や企業にはない特徴があるのかという事になり、これはもちろんサービスの質や内容にも関係してきます。

 

『コストパフォーマンス』はそのままの意味となりますが、お客様側にとって商品やサービスなどにかけた費用以上の満足感が得られ、また利用したいという気持ちになったのかという事になるのです。

 

『常に安定した料理全体の一貫性』は、いつ利用しても、どの担当者であっても一定のレベルの高いサービスが受けられ、またどのお客様に対しても同じように接することができているのかということに置き換えられます。

 

もちろんお店や企業の評価がこれだけではないでしょうが、世界で認められているミシュランの評価基準を参考にしてサービスを見直してみるのも有効な方法ではないでしょうか。

 

日本サービスマナー協会

理事長 沢野 弘

価格に見合ったサービスというのがあります。

 

一人前280円の牛丼と2万円するフレンチフルコースとではお客様が求めるものは当然変わってきます。

 

それは料理の味であったり、店の雰囲気であったり、使っている食器であったり、従業員のサービスであったり、お客様によって様々な観点があるでしょう。

 

同様のことがホテルや旅館でも言えると思います。

 

一泊7000円程度で宿泊できるビジネスホテルと2万円以上するシティホテルとでは お客様が求めるものが異なってきます。

 

最近では宿泊予約サイトなどを利用すれば、シティホテルでも安く宿泊できるケースが 増えては来ています。しかしそれでも1万5千円程度はかかるのが普通でしょう。

 

私の場合、ビジネスで出張する際にホテルに求めるものは部屋の広さと快適感です。

 

もちろんレストランも利用する事はありますがそれほど長い時間レストランにいるわけでもありません。

 

ほとんどの宿泊が睡眠中心の短い滞在時間で済み、客室での時間と睡眠の快適さがホテル選びの決め手になっています。

 

多くのビジネスマンの人たちも同様ではないでしょうか。

 

それならば、必ずしもシティホテルである必要はなく、ゆったりした客室と快適なベッド、食事ができるレストランがあれば、ビジネスホテルでもまったく問題ない事になります。 

 

それが7000円程度で宿泊できるのであればきっと定宿になっていく事でしょう。

 

同じように、露天風呂付き客室が2食付き一人1万円で宿泊できる感じの良い旅館があればきっと人気が出ると思います。口コミでも広がるはずです。

 

こういったものは設備に限った話ではありません。

 

飲食業やホテルなどに限らず、価格に見合ったサービスを提供するのは普通の事です。

 

そして価格以上のサービスを提供できるのが他との違いとなります。

 

そしてそれがセールスポイント「売り」となるのです。

 

これを読まれているあなたがもしホテルや旅館、その他様々なお店や会社で働いているのであれば、あなたのお店や会社が持っている、他にはない「売り」は何かということをしっかり理解してください。

 

そしてそれをターゲットとなるお客様にきちんと伝える事ができように工夫してください。

 

これからの時代だからこそ、他と違った「価値あるサービス」を提供し、それをきちんと世の中に伝えるということを真剣に考える必要があるのです。

 

NPO法人日本サービスマナー協会

理事長 澤野 弘

クレーム対応というのは非常に大切ですね。

 

クレームを言ってくるお客様に対しては適切な対応をしないと後々に影響する可能性が大きくなります。

 

クレームは、一般的にはサービスを提供する側に何か問題があり、それに対して問題意識を感じるお客様が意見を言う事が多いと思われます。

 

ただ、それ以外に理由のないクレームがあります。

 

『自己愛性パーソナリティ障害』というものを皆さんはご存じでしょうか。

 

これは、定年退職した大企業の重役、元弁護士や大学教授など社会的地位の高かった人などに多く、一般的なクレームとは異なりますが対応は難しく間違えると非常に時間をとられる事になります。

 

かつては周りから尊敬されていたような人が一種の征服感を味わい自尊心をどこかで取り戻そうとしているケースです。

 

例えば、顧客に送付するDMに対して、紙の無駄遣いであり環境保護を考えていないというクレームを店頭の社員に対して言ってくる場合などが考えられます。

 

「地球環境保護についてどう考えているのか」や、「どれだけの資源の無駄遣いになっているのか君はわかっているのかね」などと延々と説教が始まります。

 

もっともな内容でもあるのですが、一社員に言われてもどうしようもありません。

 

途中で意見を言おうとしても「違う、よく聞きなさい。こうだろう」と話が続けられます。

 

また「君の日本語はなっていない。一流企業で働く者としてそれで良いのか」から始まり、「笑顔がない、商品の扱い方が雑だ」と一つずつ指摘をして来ます。

 

そのうちに電話応対時の対応なども含め「私はこの店を良く利用するが、ここの社員教育はどうなってるんだね」と教育指導の話にまで及びます。

 

この様な人々は非常に頭が良く、世の中のために役立とう、若い人たちを教育しようという正義感を持っているから厄介でもあります。

 

また時間はあり余っているので、お店側が忙しい時に来て延々と話が続いたりします。

 

対応している担当者には非がないので、その場で解決の方法がありません。

 

こういった人は周りの人間を部下の様に感じているのかもしれないのです。

 

このようなケースの場合、途中で言葉を挟まず、どうすれば納得してもらえるのかをしっかり聞いて、「貴重な意見として受け止め全社で検討いたします」と答えて、まずはその場を収めるようにするのが最善策でしょうね。

 

特に接客業務に携わる人は、こういったクレームの種類を学び対応法を身につける事も必要となってくるでしょうね。

 

日本サービスマナー協会理事長 沢野 弘

先読みのサービスというものがあります。  

当然言葉から考えてお分かりになると思いますが、お客様の要求を聞く前に、 その立場に立って先にサービスを提供する事です。 

例えば、レストランでお誕生日会の予約を受けた時に、バースデーケーキが必要かを 尋ねるなどが挙げられます。   

この先読みのサービスはそれぞれのシチュエーションによって異なるため、 画一化されたマニュアルでの対応は難しいでしょう。  

あくまでもお客様の立場に立って、「今、このお客様は何をしてほしいのか」という事が 理解できる能力が必要となりますね。   

これは特別な能力ではありません。 

それなりの経験は必要でしょうが、単に経験だけではなく考えて行動した結果の 積み重ねになると思います。  

もちろんレストランだけでなく、他の仕事にも当てはまる事ですが、 考えて行動した場合は例えその時の行動が失敗であっても経験値として残っていきます。 

何も考えずに行動するのとは大きな違いですね。   

このコラムでも良く書いていますが、相手の立場に立って考えるという事は どんな状況であっても非常に重要なです。   

当然クレーム対応の場合にも当てはまります。   

お客様の言う内容をしっかりと聞いて要望にきちんと対応する事はとても大切です。   

しかし、それはサービス業では当たり前の事であって、 それだけではお客様の心に残るサービスの提供は難しいでしょう。   

先読みのサービスができてこそお客様に心から喜んでもらう事ができ、印象にも残り、 また来たいと思ってもらえるのですね。   

考えて行動した経験の積み重ねで先読みのサービスのレベルも向上していくでしょう。   

そうするとお客様にとっては、まるでテレパシーを持っているかのような不思議な気持ちと共に、 やすらぎと安心感を持っていただく事もできるでしょう。 

もちろん、一人一人が単独で先読みのサービスを行うのではなく、職場で意見を持ち寄り、 それぞれの経験を集約すれば、全体で素晴らしい先読みのサービスが提供できるようになる事でしょう。 

もしみなさんが、まだきちんとしたサービスが提供できていないと感じているなら、 お客様の要望に先に応えられるようにはどうすれば良いのかを全体で話し合う機会を 持ってはどうでしょうか。 

日本サービスマナー協会 理事長 沢野 弘

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